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コラム

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ひきこもりびとと就労
vol.5
DATE:2019.12.09 WRITER:村山 賢

 ひきこもり支援のゴールはどこか ― ? 
 最近、いろんな場所でこんな話題が出る。これには様々な意見がある。「就労だけがゴールじゃない。」って言う人もいれば、「就労して社会参加を!」と言う人もいる。
 僕の意見 ― 。
 就労だけがゴールじゃない、という意見には全面的に賛同しかねるところがある。もちろん、すぐに就労というのは難しいことだということは分かるから、すぐに仕事をしなくたっていい。そこはゆっくりでいい。でも、最終的なゴールは『就労』ってところに設定して、そのお手伝いをしたいと思う。と言うのは、やっぱり仕事をして、自分の好きなことして、好きな物を買って、好きな物を食べてっていう生活は面白いと思うから。そりゃ、働くってことは楽なことばっかりじゃないから、その人に合った仕事を探さなくちゃならない。そのお手伝いもする。働いてみて、「やっぱ駄目だ。」ってなったらなったで、また次のお手伝いを考える。それにひきこもりを脱してからの長い人生、やっぱり収入はあった方がいい。単純に。これが今のところの僕の意見だ。
 でも、まあ、こんなことはひきこもりを頑張っている人みんなが分かっていることで、「それが出
来ないからツラいんだろっ。」って声が聞こえてきそうだ。ごもっともだ。
 ひきこもりを頑張っている時期ってのはツラい。僕にも経験があるから分かる。ひきこもりは怠けているんじゃーない。自分と闘っているのだ。「どうしてこんな状態になってしまったんだろう。」とか「もう外に出ることなんて出来ない。」とか「体調わるー。」とか色々考える。そりゃ、ツラい毎日だ。それを乗り越えるのって簡単なことじゃない。ゲームで時間を埋めたり、面白くもないテレビを観たりするのも楽じゃない。そんな時期に「支援者です。」なんて来られても会いたくもない、と思う。だから、ちょっと外に出てみよ―かなーってときが来るまで待つ。ひきこもりを頑張っている人も少しだけ自分と闘うのを止めて、ちょっとひと休みして欲しい。それだけ頑張ったんだから。仕事をするのはゆっくり休んでからでいい、というのが結論だったりする。