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ひきこもりびとを引き剥がす人
vol.6
DATE:2020.02.28 WRITER:村山 賢

 前から気になっていたこと ― 。 それは〝強引なやり方でひきこもり支援〟をする人たちのことだ。先日も全国ネットの、しかも、日曜日のゴールデンタイムにそんな特集をやっていた。まぁ、場合によっては必要なときもあるでしょう。暴力とかある場合ね。でも、僕が気に入らないのはそういう番組の編集方法というか、構成の仕方だ。どの番組を見ても〝強引なやり方でひきこもり支援〟をする人たちを『正義』、ひきこもりびとを『悪』としたひと昔前の戦隊もののようなとっても分かりやすい対立軸を作って放送をしている。そして、〝強引なやり方でひきこもり支援〟をする人たち目線でしか番組は作られない。それはおかしいだろ、と。まずはひきこもりびとの主張を放送すべきでしょ~。困っているのはひきこもりびとの方なんだから。そして、〝強引なやり方でひきこもり支援〟をする人たちがひきこもりびとに発する「お前!」とか「こっち向け!」「俺の目を見ろ!」とかいう超~上から目線の言葉遣いと態度を目にするたびに腹が立つ。『お前は神かっ!。』って。彼らはいきなり部屋に入って、寝てるところを叩き起こして、ヤンキー座りになって「今日から施設に入ってもらう。」と凄む。若い頃、やんちゃだったんだろ~ね。言葉もたくみだ。だけど、その行為はほとんど人権侵害だ。いや、完全なる人権侵害だ。だって、ひきこもりびとはそんな施設になんか行きたくないんだから。そんな映像が30分くらい流された。ひきこもりびとのことを知らない視聴者は、〝強引なやり方でひきこもり支援〟をする人たちを称賛することだろう。スタジオにいたコメンテーターですら「こういう団体をもっと支援するべきだ。」なんて言ってるんだから始末が悪い。ひきこもりびとを部屋から引きずり出すシーンは「まさに正義がなされた」って感じで気持ちが悪い。僕には単なる暴力にしか見えないから。