イツモノトコ

メニュー
メニュー

COLUMN
コラム

イメージイメージ
僕がうつ病だった頃。
vol.12
DATE:2021.11.12 WRITER:村山 賢

 32歳の頃、僕はうつ病になった。あ、突然なったわけじゃなくて、少しずつ心と体が壊されていった感じ。眠れないし、食べれないし、ヤル気が出ないし、めちゃくちゃ体が重い。当然、気分もずっしりと重たい。ずっと体調が悪くて、色んな医者へ行った。人間ドッグも受けたけど異常なし。いやいや、そんなわけないじゃんてことで精神科へ。「典型的なうつ病です。半年は会社を休んで下さい。」ガーン!!先生、ご冗談を~。そんなに休めるわけないじゃ~ん。とは思いつつも、僕の体は限界だった。それから、2年間ひきこもった。外の世界の人、もの、音の全てが恐怖の対象になった。朝、目覚めるのが地獄。「またツラくて、長い一日が始まる…。なんの生産性もない一日が。」って超ネガティブモードで昼過ぎに起きる。そして、処方された眠剤が飲める夜が来るのをひたすらに待つ生活がず~っと続いた。当然、テレビなんて観る気にもなれないから、部屋の隅でときが過ぎるのをただただ待つ。昼間はカーテンの向こうから聞こえる音との闘いだ。車の音、犬の鳴き声、誰かのはなし声にビクビクしながら過ごす毎日。インターホンなんて鳴ろうものならパニックになって、布団の中で震えていた。「死にたい」願望も起きる。こんなにツラいなら死んじゃった方が楽だなとか、パニックから逃れるために衝動的になったときだってある。うつ病ってこんなにツラい。「心の風邪」なんていうほど生易しいものじゃないってことを体験した。もうしたくないけど。
 回復の兆しがない毎日は夢も希望も奪い取る。これで人生が終わるんだなーなんて何回考えたことか…。それでも、僕は今生きているし、うつ病も治ったと思う。「あ、もう治ったな。」って思えるまで10年くらいかかった。ひきこもり生活は暗くて、ツラい。そして、なにより惨めだ。やりたくてやっている人なんて一人もいないと思う。僕は医者じゃないからうつ病は治せないけど、ひきこもりから脱出するためのお手伝いはできる。てなことで、今はこんな活動をしているんだなー。