COLUMN
コラム
ひきこもりびととゲーム。
vol.4
DATE:2019.07.20 WRITER:村山 賢
最近、元ひきこもりの人たちとゲームをする機会が多くなった。うちの事務所にはテレビを置いていないから、もっぱらトランプやUNO、ボードゲームなどだ。ファミコンが登場するまで、僕もそれなりにカードゲームやボードゲームに夢中になっていた時期があった。それでも彼らのゲーム戦略は凄い。全く敵わない。「ゲームばっかやってましたから。」なるほど、ひきこもりをしている間に戦略性が鍛えられたというわけだ。それはきっとどこかで役に立つ。
ひきこもりを8年頑張ったという人に聞いたことがある。
「ひきこもりってゲーム好きって印象があるでしょうけど、したくてしてるわけじゃないんです。朝起きて、あ、昼過ぎに起きてやることがないことに絶望するんです。それで、その絶望時間を埋めるためにゲームをするんです。自然と上達しますよね。でも、ゲームをクリアしたとか、レベルを最大にしたとかってなった瞬間にまた絶望するんです。矛盾してるようですけど・・・。」
ひきこもりびとの本音に触れたような気になった。そう、彼らは一日中ゲームをしたいからってひきこもりになったわけじゃない。ひきこもりになって、一日が恐ろしく長いってことを知って、それを埋めるためにコントローラーを握るのだ。もしかしたら、一時は楽しい瞬間もあるかも知れない。でも、ほとんどのひきこもりびとが苦しみながらゲームをしている。心で泣きながらゲームをしている。だから、誰かを相手にトランプをしながら笑っているのを見ると嬉しくなる。